真空包装機で真空すると沸騰するが、パックした後はなぜ常温に戻っているのか?

「飲食店で真空包装機で使って食材や液体を真空パックする時に液体が沸騰してるけど大丈夫?」

「食材に火が入ってしまっているのではないか?」

 

そんなん疑問を持った方も多いのではないでしょうか?

ここではそんな疑問を解決します。

 

この記事では以下の3つ事について書かれています。

  1. 沸騰とは一体どんな状態のことなのか?
  2. 気圧と温度と水の関係性とは?
  3. 圧力調理と減圧調理

順番に解説します。

 

現代の飲食店では真空包装機は必要不可欠です。

保存にも使えて、調理を効率化するにも使えて、原価の削減にも役立ちます。

 

そんな真空包装機で食材にマリネ液を染み込ませる為に真空包装機で真空パックをかけると、マリネ液はボコボコと沸騰し始めます。

 

また、沸騰したはずなのに、真空パックが終わったら全然熱くなってない、という疑問を一度でも持った方は是非とも今回の記事を最後まで読んで疑問を解決してください。

 

沸騰とは一体どんな状態のことなのか?

ここでは【沸騰】という現象について解説します。

料理をする上で【沸騰】という作業は必要不可欠な要素なのでしっかり理解しておく必要があります。

 

こちらを読んで頂ければ、沸騰の原理原則を知ることが出来ます。

よく読んで理解して頂ければ、あなたの料理の幅が大きく広がる事になります。

 

常識的に考えると、液体の沸騰というのは100度を超えて起こるものだという認識があると思います。

つまり、沸騰=100度=熱い

という方程式が頭の中で成り立っているということです。

 

沸騰という言葉をWikipediaで調べてみるとこうかいてあります。

沸騰とは、液体から気体へ相転移する気化が、液体の表面からだけではなく内部からも激しく起こる現象である。

つまり水で言えば、水の内部から水の分子が出て行くこととも言える。

液体の内部から気化を沸騰というのに対して、液体の表面で起こる気化は蒸発という。

(Wikipediaより引用)

難しく書いてありますが、要は水の内部から水分子が出て行くということです。

 

つまりは、100度で沸騰させるだけが沸騰だという事では無いのです。

それを踏まえた上で、真空パックする時になぜ沸騰しているのでしょうか?

 

それは気圧が下がる事によって沸騰しているのです。

液体の温度が100度に達して沸騰している訳では無いのです。

 

つまり液体の温度は真空パックする前も、真空パックの最中も、真空パックした後も変わってないのです。

気圧が下がる事によって、沸騰したので真空パックした後も常温のままなのです。

 

気圧と温度と水の関係性とは?

なぜ真空パックの時の沸騰が起こるのか?

真空パック後の温度が変わって無いのかの理由がわかっていただけたと思います。

 

ここでは更に深掘りして、気圧と温度と水の関係について解説します。

現代の飲食業界では化学的な要素も美味しい料理を作る上で不可欠な知識となりつつあります。

 

なので、気圧と温度と水の関係性というのはおいしい料理を作る為の知識なのでぜひ、理解して仕事に生かしてください。

 

料理を作る上で必要不可欠な水ですが、この水というのは常に蒸発しようとしているというのを知ってましたか?

しかし、気圧に押さえつけられている事でたくさん蒸発出来ないでいるのです。

 

信じられないかもしれませんが、事実です。

試しに金魚鉢などに水を入れて、部屋に置いておくと1週間後には水が減っています。

 

気になる方は試してみてください。

そんな気圧に押さえ付けれれている水ですが、一定の温度を超えると蒸発しようとする力が気圧に優って沸騰します。

この温度の事を沸点と言います。

 

私たちの普段生活している場所は1気圧で沸点は100度となっています。

なので、水などの液体を沸騰させるには100度まで加熱しなければなりません。

 

気圧

しかし、気圧を調整する事でこの沸点を150度にしたり、80度にしたりすることが出来ます。

圧力をかけることで100度以上の熱湯で茹でたり、煮たりする事ができるのが圧力鍋です。

 

高熱によって調理の速度を早めたり、骨まで柔らかく加熱することが出来ます。

逆に、気圧を下げる事で沸点を下げることが出来ます。

 

よく聞く話かもしれませんが、高い山の上では気圧が低いのでカップ麺を作ろうとお湯を沸かそうとしても80度で沸騰してしまいます。

 

なので、カップ麺をうまく作ることが出来ません。

カップ麺の作り方の表記はこの様になっています。

熱湯を注いで3分待つ。

とありますが、日清のHPを見てみると「熱湯」とは沸騰したお湯を指します。

ポットの保温湯(60〜85度)では麺がうまく湯戻りしませんとあります。

(写真は日清のHPより引用)

つまり、気圧を上げることで沸点を高くする事が出来、気圧を下げる事で沸点を下げる事が出来ます。

 

そして気圧を下げて沸騰した液体というのは、温度自体は変化していないという事を知識として入れておくだけでも、料理を作る時の役に立ちます。

 

圧力調理と減圧調理

いかがでしたでしょうか?

真空包装機で真空すると沸騰するが、パックした後はなぜ常温に戻っているのか?

について解説しました。

 

大事なのは気圧と沸点の関係性でした。

山の上では水が100度でなくても沸騰するという事は、聞いた事があったかもしれません。

 

しかし、そのメカニズムを理解していたでしょうか?

気圧が下がる事で、80度でも沸騰するという事です。

 

つまりは山の上では80度を超える加熱調理は出来ないという事ですね。

ここでは更に深掘りして、圧力調理と減圧調理について解説します。

 

先ほども少し書きましたが、圧力をかけると沸点を高くして100度以上の温度で調理することが可能です。

 

それが圧力調理です。

逆に気圧を下げる事によって沸点を下げて調理するのが減圧調理です。

簡単に解説します。

 

圧力調理

圧力調理と言われるとわかりづらいかもしれませんが、圧力鍋を想像してください。

それが圧力調理です。

 

圧力鍋は空気や液体を密して加熱する事によって、圧力をかけ100度を超える温度と圧力の元で調理できる鍋の事です。

 

圧力をかける為に水の圧力を利用するので、水分の少ない料理には不向きです。

また、圧力をかける事で食材を短時間で柔らかくする事は出来ますが、素材自体を美味しくする調理方法とは異なるので注意が必要です。

 

減圧調理

減圧調理と言われてもピントこない人も多いのではないでしょうか?

減圧調理というのは圧力調理とは真逆で、圧力を下げて沸点を下げて調理をする事です。

 

圧力を下げて沸点を下げる事でどの様な効果が期待できるのか?

そんな疑問を解決します。

 

圧力を下げる事で得られる効果というのはこちらです。

食材に味を浸透しやすくする事です。

 

圧力を下げると食材に含まれている水分や気泡が膨張します。

その膨張した細胞の隙間に調味液が染み込み、圧力を元に戻す事で食材の中に調味液を含ませることが出来ます。

 

新品のスポンジをイメージしてもらえば少しわかりやすいかもしれません。

新品のスポンジというのは、そのままでは水分を吸収しません。

 

一度ぎゅっと握って水の中に入れると、スポンジは水を含んだ状態になります。

これが食材で行われているというイメージです。

 

では、こんな減圧調理をどの様に作るのかと言うと【ガストロバック】と言う調理機器を利用します。

ガストロバックについては減圧調理器ガストロバックではどんな料理が作れるのか?にて詳しくご紹介してますので、そちらをご覧ください。

 

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☞「TOSEIの業務用真空包装機選びに迷っている方必見です。

 

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