「ゼラチンと寒天って何がちがうの?」
「どうやって使い分ければいいの?
そんなお悩みを解決します。
料理のレシピを見ていると、食材を固める時にゼラチンを使ったり、寒天を使ったりとレシピによって様々です。
ゼラチンと寒天は何が違うのでしょうか?
どんな違いがあるのでしょうか?
代用は可能なのでしょうか?
そんな疑問を持つ人も多いと思います。
今回は飲食業界に15年以上働いた経験がある僕がゼラチンと寒天の違いについてご紹介します。
こちらの記事を最後までお読みいただければ、ゼラチンと寒天の違いや使用方法について詳しくなり、より美味しい料理を作ることができます。
ぜひ、最後までご覧ください。
ゼラチンと寒天の6つの違い
ゼラチンと寒天というのは何が違うのでしょうか?
ここでは以下の6つの事について解説します。
- 原材料
- 食べた時の食感
- 相性の良いレシピ
- 融解温度
- 固まる温度
- 使用上の注意点
以上のことがわかれば、どんなレシピが出てきても応用が効くようになりますね。
原材料
ゼラチンと寒天のそれぞれの原料の違いについて解説します.
ゼラチンは知っているよという方は多いかもしれませんが、寒天って
「何から出来てるっけ?」
という人もいるのではないでしょうか?
ここではゼラチンと寒天の原材料の違いについてご紹介します。
ゼラチン
まずはゼラチンの原材料です。
ゼラチンの原材料は牛や豚の骨や皮に含まれているコラーゲンが原材料です。
動物性の食品になります。
豚から抽出しているので、イスラム教などの豚を食べてはいけない人はゼラチンを使った料理を食べることが出来ません。
寒天
寒天の原材料はテングサやオゴノリなどの海藻類です。
植物性の食品です。
ですので、肉類や魚介類、乳清製品が食べられないベジタリアンの人やヴィーガンの人でも食べることが出来ます。
食べた時の食感
食べた時の食感について解説します。
ゼラチンと寒天で食べ比べたことがないので、それぞれの食感の特徴というのはわかりずらいのではないでしょうか?
ゼラチン
ゼラチンは馴染みのある食品なので、どんな食感かはわかるのではないでしょうか?
主にプルプルしていたり、ふわふわしていて口どけが良いというのが特徴です。
ゼリーやパンナコッタやブランマンジェなどの洋菓子を思い出してもらえればわかりやすいです。
寒天
寒天はどうでしょうか?
最近寒天を使った料理を食べたことがある人はいますか?
寒天の食感の特徴はゼラチンとは逆で切れよく、ほろっとする食感となっています。
特に和菓子で使われることが多いです。
色・透明感
ゼラチンや寒天を使用した時の仕上がりの色味具合はどのような感じになるでしょうか?
それぞれ特色を解説します。
ゼラチン
ゼラチンを使用した時の仕上がりや透明度ですが、限りなく透明感のある色をしています。
ゼラチンでも粉ゼラチンと板ゼラチンに分けられます。
どちらが良り綺麗かというと、板ゼラチンを使った方がより透明度の高い仕上がりとなります。
寒天
寒天はゼラチンに比べると少し白く濁ったような仕上がりになります。
なので、あまり透明感の必要なゼリーなどの調理には向きません。
相性の良いレシピ
ゼラチンと寒天の相性の良いレシピというのはあるのでしょうか?
または、あるとしたらどんなレシピに向いているのでしょうか?
相性の良いレシピはあります。
それぞれの特徴を生かした料理が相性の良いレシピと言えます。
ゼラチン
ゼラチンは先ほども書いたようにふわふわ、プルプルとした食感で透明度を活かせる料理に向いています。
例えば、ゼリーやムース、パンナコッタ、マシュマロのような口の中でとろけるようなレシピに相性が良いです。
寒天
寒天はどちらかというとほろっと崩れる食感なので、和菓子のようなものに相性が良いです。
水羊羹やところてん、杏仁豆腐なんかも寒天で作られています。
どれもプルプルというような食感のものではないですね。
融解温度
融解温度というのも調理を作る人にとっては重要な要素ですね。
何度で解け始めるかというのがわかっていないと食材によっては使えないということもあります。
ゼラチンや寒天はそれぞれ何度になったら、解け始めるのでしょうか?
ゼラチン
ゼラチンの融解温度というと60度です。
ゼラチンを完全に溶かしたい場合は必ず60度以上に熱したとこにゼラチンを加えなければなりません。
しかし、ゼラチンを加えて固めたものは30度あたりから解け始めてしまいます。
これがいわゆる口溶けが良い理由でもあります。
なので、プロが板ゼラチンを使うときは水だけで戻さずに氷水に入れてふやかします。
寒天
寒天の融解温度は90度以上です。
寒天お完全に溶かすには90度以上に熱した所に加えなければ溶かすことが出来ません。
ゼラチンと比べるとかなり高温にしないと溶かすことが出来ません。
凝固温度
融解温度を知っていたら凝固温度も知ってないといけませんね。
この温度を知らないといつまでたっても固まらないということが起こってしまいます。
一体何度になったら固まるのでしょうか?
解説していきます。
ゼラチン
ゼラチンを加えたゼリーは何度にすれば凍るのでしょうか?
冷やせばかたまるという事はなんとなく知っていますが、それは何度以下にすればかたまるのでしょうか?
それは20度以下です。
ですので、ゼラチンを加えて20度以下の場所(冷蔵庫)に入れれば素早く固めることが出来ます。
寒天
寒天は何度になればかたまるのでしょうか?
冷やすのか温めるのかというのもわからないという人もいるのではないでしょうか?
寒天は50度以下に冷ませば凝固し始めます。
40度以下に冷めればほぼかたまるので、日本においては常温においておいても解け始めることはありません。(真夏の車内は微妙ですが・・・。)
使用上の注意点
ゼラチンや寒天のような凝固剤を使うに当たって注意しなければならないことがあります。
この注意点を知らないと分量をレシピ通りに計って作っても固まらないということがあります。
ですので、それぞれの注意点をしっかりとお読みください。
ゼラチン
ゼラチンは酵素の力に弱いです。
ですので、酵素を含む食材をゼラチンで固めようとした場合、一緒に煮たりすると酵素の力のせいで凝固する力が弱まってしまいます。
酵素を含む食材は:キウイ、パイナップル、イチジクなどが挙げられます。
寒天
寒天にも固める力を弱くする食材というのが存在します。
それが酸性の食べ物です。
いわゆる柑橘系の果物なんかは固める力が弱くなってしまいます。
柑橘系の食材:レモン、オレンジ、グレーオプフルーツなど
また、寒天は砂糖を加えて使用品と扱いづらいのも特徴です。
ゼラチンと寒天の違いまとめ
最後に簡単に表にしておきましょう。
ゼラチン | 寒天 | |
原材料 | 豚や牛のコラーゲンなどの動物 | テングサやオゴノリなどの海藻 |
食感 | ふわふわ、プルプル | ホロっとした食感 |
透明感 | 透き通るような透明 | やや白く濁っている |
相性の良いレシピ | ゼリー、パンナコッタ | 水羊羹、ところてん |
融解温度 | 60度以上 | 90度以上 |
凝固温度 | 20度以下 | 50度以下 |
注意点 | 酵素で凝固しづらくなる | 酸で凝固しづらくなる |
いかがでしたでしょうか?
ゼラチンと寒天の違いについて解説しました。
大きな違いは原材料と、融解温度でしたね。
ここだけ注意すればお互いの特徴を最大限に生かして調理に使用づることが出来ますね。
最後にゼラチンと寒天の6つの違いについておさらいしておきましょう。
- 原材料
- 食べた時の食感
- 相性の良いレシピ
- 融解温度
- 固まる温度
- 使用上の注意点
これで使い分けもバッチリですね。
粉ゼラチンと板ゼラチンの使い分けについてはこちら
ゼラチンとアガーの違いについてはこちら
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