「豆乳をエスプーマに出来るの?」
「豆乳エスプーマってどうやって作るの?」
そんな疑問にお答えします。
飲食店で働いていると様々なお客様がいらっしゃいます。
そんなお客様の中には当然好き嫌いがあったり、ダイエット中だったり、アレルギーがあったりします。
特にアレルギーに関しては命に関わることなので、料理人やサービスマンは細心の注意を払って料理を提供します。
デイリーアレルギーとは、いわゆる乳製品アレルギーということです。
ですので、牛乳、生クリーム、バターはもちろん、加工されたチーズなども使ってはいけません。
これらの乳製品を使用した調理道具を使ったもので、調理をしてはいけません。
フライパンから盛り付ける箸やトング、まな板まで全て綺麗に洗ってから調理を始めます。
デイリーアレルギー、つまり乳製品アレルギーのお客様がいらっしゃった場合、生クリームの代用品として豆乳を使うことが多いです。
色味も似ていますし、形状も似ているので多くの場合生クリームを豆乳に代えることで対応することができます。
しかしながら、エスプーマで生クリームの代わりに豆乳を泡だてようとするとうまくいかないことがあります。
そこで今回は、エスプーマを使って簡単に豆乳を泡状にする方法をご紹介します。
豆乳を簡単にエスプーマにする方法
豆乳を失敗せずに簡単にエスプーマにする方法は以下になります。
専用の凝固剤を使う
なぜなら、豆乳というのは繊細な食材なので加熱に弱い食材です。
豆乳を加熱して分離してしまったという経験をした事がある人も多いのでは無いでしょうか?
専用の凝固剤を使った方が良い理由や専用の凝固剤について知りたいという方は最後までお読み下さいね。
豆乳はエスプーマにならない?
エスプーマの基本的な使い方は、野菜のピューレなどにゼラチンや寒天などで濃度をつけて、それをエスプーマのサイフォンに入れて、ガスを充填して泡状にする。
エスプーマについての詳細はこちらをご覧ください。
では、豆乳も同じようにゼラチンや寒天を加えて濃度をつけてエスプーマのサイフォンに入れて、ガスを充填して泡状にすれば良いのではないか?
と思うかもしれません。
しかし、豆乳は簡単に泡になりません。
なぜ豆乳を加熱すると分離するのか?
豆乳をエスプーマで泡にする難しいところはこちらです。
豆乳は加熱すると分離する
なぜなら、豆乳というのは熱や酸によって分離してしまうからです。
熱による分離は豆乳に含まれるタンパク質が熱によって変性する事で起きてしまいます。
豆乳スープや豆乳鍋、豆乳煮込みなどの豆乳料理を作るときは、グラグラと沸騰させてしまうと分離して口当たりの悪い料理になっていまうので、強く煮立てないか、最後に仕上げに豆乳を加えたりして作ります。
また、豆乳は酸によっても凝固してしまいます。
レモン果汁やビネガーなどの酸性のものを加えると反応して凝固が始まってしまいます。
滑らかな豆乳料理を作りたいと考えたときに酸は避けるようにしましょう。
コーヒーなどに豆乳を加えたいと思う時も注意が必要です。
コーヒーに豆乳を加えるのは温度に加え、コーヒーに含まれている酸によって豆乳は変性してしまいますので、綺麗に混ぜるのは難しいです。
ちなみに豆乳には無調整豆乳と調整豆乳がありますが、無調整豆乳の方が分離しやすいです。
豆乳を泡エスプーマにするの寒天をおすすめしない理由とは?
寒天というものはどんなものかを説明しましょう。
寒天とはテングサやオゴノリといった海藻類を原料に作られた凝固剤です。
使い方は寒天を水でふやかし、沸騰させて他の食材を加えて裏ごしして、38度以下に冷ますことによって凝固します。
寒天はゼラチンよりも低い1%以下の濃度でも固まり始めます。
一度固まったゼラチンは85度以上にならないと解けないので、口の中でとろけるような濃度で作るのは難しいです。
というのが寒天の簡単な説明になります。
では、なぜ寒天が豆乳エスプーマに向かないのか?
なぜなら、寒天を溶かす際に液体を沸騰させなければいけません。
しかし、先ほども説明したように豆乳というのは沸騰させてしまうと分離を起こしてしまいます。
ですので、寒天と豆乳を綺麗に混ぜること自体難しくなってしまいます。
料理人なら出来るけど、アルバイトでは出来ない。
というレシピではあまり効率がよくないですよね?
ですので、豆乳エスプーマを作るのに寒天での凝固はおすすめ出来ません。
豆乳をエスプーマにするのゼラチンをおすすめしない理由とは?
続いてゼラチンです。
ゼラチンというものがどんなものかを説明しましょう。
原材料は動物(牛やぶた)の皮や骨などを利用してコラーゲンに熱を加えて抽出したものです。
熱によって融解して、冷やすことによって固まる性質を持っています。
無味無臭で水分との割合によって硬さの調整をすることが出来るのがゼラチンです。
板ゼラチンや粉ゼラチンなどスーパーなどにも売っているので、なんとなく知っているという人も多いのではないでしょうか?
ではなぜ、ゼラチンが豆乳エスプーマに向かいないのか?
これは寒天と理由はほぼ一緒です。
ゼラチンを溶かすにも加熱しなければいけません。
動物性タンパク質から作られているということは、60度以上に加熱しないとゼラチンは解け始めません。(タンパク質の編成は60度から始まるので)
つまり、ゼラチンをしっかりと溶かすには60度以上に加熱しなければなりません。
そうなると豆乳に含まれているタンパク質も当然、固まり始めてしまい口当たりの悪い豆乳になってしまいます。
そうなってはエスプーマのサイフォンに入れても綺麗なエスプーマは出来ません。
ですので、豆乳をエスプーマで泡にするにはゼラチンもおすすめできません。
豆乳の濃度をつけるのに寒天もゼラチンもダメとなると、どのように濃度をつければ良いのでしょうか?
豆乳を簡単にエスプーマにするたった1つの方法とは?
ここまで読んでいただいてお分かりになったと思いますが、豆乳をエスプーマにするためには加熱によっての凝固剤の添加は難しいという結論になります。
豆乳をエスプーマにするために必要なのはある程度の濃度ということになります。
ある程度の濃度のついた豆乳をエスプーマのサイフォンに入れ、ガスを充填することによって豆乳エスプーマを作ることができます。
つまり、加熱せずに凝固剤または増粘剤によって濃度をつけることができれば、豆乳エスプーマを作ることが出来るということです。
では加熱せずに濃度をつけることが出来る凝固剤もしくは増粘剤というのはあるのでしょうか?
はいあります。
それがエスプーマCOLDとエスプーマHOTです。
エスプーマ専用添加物を使う
エスプーマ専用の添加物というのがあります。
それがエスプーマCOLDとエスプーマHOTです。
これらはどちらも加熱せずに、エスプーマにしたい食材に直接添加して混ぜるだけで、安定した泡を作ることが出来るという商品です。
豆乳のように加熱することによて、状態が変わってしまう食材をエスプーマを使って泡状にしたいというときに大変便利な商品です。
SOSAエスプーマCOLDとSOSAエスプーマHOTと2種類ありますが、それぞれ冷たいエスプーマと、温かいエスプーマを作る用に分かれているだけで、使い方としては同じように使うことができます。
豆乳を簡単にエスプーマにするたった1つの方法のまとめ
いかがでしたでしょうか?
豆乳を簡単にエスプーマにするたった1つの方法について解説しました。
結論から言うとこちらです。
専用の凝固剤を使えば簡単
豆乳は繊細な食材なので、熱や酸に弱いです。
どちらも分離してしまうので綺麗なエスプーマになりません。
加熱せずに濃度を調整出来るエスプーマCOLDやエスプーマHOTを利用すれば、混ぜるだけで綺麗なエスプーマがつくます。
専用の凝固剤を使用する時は、ハンドブレンダーを利用してしっかりと混ぜる必要があります。
この記事を参考に豆乳エスプーマを作ってみて下さいね。
エスプーマに関するお悩みや購入の相談は株式会社ナカイヤまでお問い合わせください。
エスプーマの使い方は以下の記事で詳しく解説しています。
その他のエスプーマに関するお役立ち情報は下記にまとめています。