長年の夢だった飲食店を開業してたくさんのお客様に美味しいと言っていただき、なんとか1年続けることができました。
そんなホッと一息つきたくなる頃に立ちはだかる壁、それが決算です。
飲食店を初めて初めての決算というのは、知らないことが多すぎてパニックになります。
「コテイシサンゼイ??」
「ゲンカショウキャクヒ??」
支払う物なの??
もらえる物なの??
食べられるものなの?
本当にわからないことだらけです。
特にオーナーシェフで経営をしている場合は料理もしなければならないし、経営も考えないといけない。
それにプラスして決算の面倒も見ないといけないとなるとかなりの労力が必要になります。
そこで今回は業務用厨房機器の償却方法について解説します。
減価償却とは?
まずは減価償却というものがどんなものかを知る必要がありますね。
減価償却とは一時的な支出を耐用年数に応じて少しずつ分割して費用化することです。
活字にすると難しく感じてしまうので、例をあげて解説しましょう。
飲食店の開業時に50万円の厨房機器を購入したとします。
この50万円を開業した年の経費に全額入れてしまって良いのでしょうか?
この厨房機器を開業時に全て経費にしてしまうと、利益が出ているのに赤字決算になってしまいます。
1年目の決算で30万円の黒字が出ていたにも関わらず、50万円の厨房機器を全額経費にしたために赤字になってしまうということが起こってしまいます。
この厨房機器は数年に渡って利用するものですよね?
なので、その使う年数によって数年に分けて経費に計上するという考えが減価償却です。
業務用厨房機器の償却方法とは?
飲食店の開業時、特にスケルトンから店舗を作る場合は厨房機器はまとめて購入することになります。
冷蔵庫、冷凍庫、コンベクションオーブン、シンク、ガス台、IHコンロなど1つの業者でまとめて購入することになります。
なぜなら、そのほうが割引してくれる可能性が高いからです、支払いの総額が大きいほど割引率も高くしてもらいやすいです。
しかし、開業時にまとめて厨房機器を購入して割引をしてもらった場合、1つ1つの厨房機器の購入金額がはっきりしない場合というのがあるのではないでしょうか?
それぞれの厨房機器の本体価格が違うのはもちろん、冷蔵庫や冷凍とオーブンとフライヤーなどではそれぞれ設置費用なども異なってきます。
そんな時は、決算処理の償却方法はどの様にすれば良いのでしょうか?
まとめて減価償却して良いのでしょうか?
それとも別々に減価償却する必要があるのでしょうか?
正解は・・・。
どちらでも良いです。
どちらでも良いと書いてしまうといい加減な答えだと思われてしまいそうですが、正確にいうとケースバイケースです。
例えば、開業時に購入した厨房機器の耐用年数が同じであれば、会計上、税務上に置いてまとめて「厨房機器」として計上して全く問題ありません。
割引で購入した金額を耐用年数で分割して、それぞれの年で経費に分けて決算をすれば全く問題がありません。
ただし、まとめて購入した厨房機器の中に1つでも耐用年数が違うものがあった場合は、そういうわけには行きません。
まずはそれぞれの厨房機器の金額や値引額、設置費用などを按分(基準となる数量に比例した割合でものを割り振ること)して計算します。
それで1つ1つの金額をだし、それぞれの耐用年数で分割して償却して行くことになります。
ですので、耐用年数が異なる厨房機器が混ざっている場合には手間が増えることになります。
業務用厨房機器の耐用年数とは?
この耐用年数というのはあなたが勝手に決めて良いものではありません。国の国税庁によってそれぞれの耐用年数というのが決められています。
以下の表を見てもらえればわかると思いますが、飲食店の厨房で関係のあるものは冷房用・暖房機器、電気冷蔵庫・電気洗濯機、食事・厨房用品、飲食店業用設備などです。
せっかくなので厨房機器に限らず飲食店開業に関わる物をまとめます。
耐用年数2年の厨房機器
- 陶磁器製・ガラス製の食事・厨房用品
耐用年数3年の厨房機器
- 接客用の絨毯
耐用年数4年の厨房機器
- 氷冷蔵庫・冷蔵ストッカー(電気式出ないもの)
- パソコン
耐用年数5年の厨房機器
- 接客業用の家具(机・椅子など)
- ファックス
耐用年数6年の厨房機器
- 電話
- 冷房用・暖房用機器
耐用年数8年の厨房機器
- オーブン
- フライヤー
- ガス台など
- IHコンロなど
耐用年数18年のもの
- 金属製の看板
耐用年数は寿命ではない
飲食店で主に必要な耐用年数をご紹介しましたが、これは厨房機器の寿命をさしているわけではありません。
ですので、耐用年数を迎えたから買い換えなければいけないということではありません。
あくまで、国税庁が定める耐用年数というのは税法上で価値を持続することができる年数のことをさしています。
しかし、減価償却による節税効果を狙う上では、耐用年数というのは厨房機器の買い換えのタイミングの1つの指標であるとも言えます。
業務用厨房機器の償却方法のまとめ
業務用厨房機器の償却方法をご紹介しました。
飲食店を開業するときには冷凍庫・冷蔵庫はもちろんガス台やオーブンも最低限必要な厨房機器です。
そのほかにも洗浄機や作業台なども必要になってきます。
それらをまとめてこ運輸すると大幅な値下げをしてくれるメーカーもあります。
そんな値下げをしてもらった場合は、厨房機器それぞれの価格を算出してそれぞれの耐用年数での償却することになります。
良かったらさっきの耐用年数表をダウンロードして保存して置いてください。
耐用年数を確認するときに役立つはずです。
減価償却や耐用年数とかあんまりよくわからないし、料理に集中したいという方はクラウド会計ソフトを利用すると決算処理が簡単に行えます。
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自分で打ち込みすらしたくないという方は、税理士さんにお願いしてみやすい決算書を作ってもらいましょう。
決算書の見やすさというのは、銀行融資にも関わってくるという話があるくらい重要です。
もし、まだ税理士さんを雇ってないという方はこの機会に検討して見てはいかがでしょか?