「これを口に含んでみて下さい」
渡されたものを口に含み、恐る恐る上下の歯を使いながらゆっくりと噛み砕いていく。
すると、鼻の穴から大量の煙が出て思わずその場の人たちがニコッとしてしまう。
そんな料理を知っていますか?
この料理を作るのに実は液体窒素を使っているのです。
料理に液体窒素?と重合われる方もいるかもしれせん。
そこで今回は、エスプーマと液体窒素を使うとどんな料理が作る事が出来るかを解説します。
液体窒素を使った料理をした事がないという方や、まだちょっとなれなくて怖いという方や、液体窒素を使った料理に興味があるひとは是非最後までお読み下さい。
エスプーマとは?
エスプーマとはバルセロナの近郊にあった3つ星レストラン「エル・ブリ」のシェフフェアラン・アドリアによって考えられた調理器具です。
食材にガスを添加する事で、それまでは出来なかった新しい食感の泡を作る事が出来る様になりました。
液体窒素とは?
液体窒素と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
僕は『バナナで釘が打てる』というCMです。
その昔凍ったバナナで釘を打っているというCMがありました。
これはmobil1のエンジンオイル性能をPRするCMでした。
しかし、調べてみるとこれはマイナス40度の環境でならばこんなことが起こるという演出。
つまり、液体窒素は全く関係ないと言う事でした笑
Wikipedia先生によると次の様にあります。
液体窒素と言うのは冷却された窒素の液体である。
液化窒素とも呼ばれ液化空気の分留により工業的に大量に製造させる。
(出典:Wikipedia)
う〜む。難しい。
あまり難しい事はわからないので大事なことだけお伝えすると、水の凝固点をはるかに回って低温を維持することができ、その温度はマイナス196度だと言うことです。
要はめっちゃ冷たいと言う事です。
一瞬にしてアイスクリームを作る事が出来ると言う事です。
液体窒素を料理に使う為のメカニズムとは?
料理を作るときに液体窒素を使って作らなければならないと言う料理は多くありません。
わざわざ使う必要性もそんなに高くはありません。
しかし、新しい料理、新しい味、新しい食感、新しいエンタメとして液体窒素を使う事はとても素晴らしい努力だと思います。
液体窒素と言うのは常に煙が出ています。
煙と言う表現が正しいのかわかりませんが、液体窒素を使おうとボールに流し混むと流す側からどんどん煙になっていきます。
これは窒素がマイナス196度よりも低温であると液体でいられるのですが、温度がそれ以上に上がってしまうと窒素は気化して煙となってしますのです。
ですので、液体窒素に何か食材を入れると食材の温度の方が高いので、食材の触れた部分から温度が上がり気化して煙になってしまうのです。
これって何かの原理と似ていると思いませんか?
もしピンと来た方はかなりの料理好きな方です。
そうです、これって揚げ物調理と似ているのです。
揚げ物と言うのも油の温度を180度にして、食材を入れます。
食材の温度の方が低いので、食材を入れた瞬間は油の温度が下がってしまう。
と言う現象と似ていませんか?
液体窒素はすごい危ないみたいな言い方をされる方がいますが、揚げ物も高温の油で揚げています。
高温の油も体に掛かれば大火傷してしまいますよね?だから注意して扱います。
液体窒素も同じです。
油とは違いマイナスなだけです。
正しく使えば、油よりも安全なのではないでしょうか?
そんな事も踏まえて、液体窒素を使うときは良く揚げ物と同じ様に扱えと言われました。
エスプーマと液体窒素を使ったらどんな料理が出来る?
エスプーマと液体窒素を使った料理で一番有名なのはフォアグラコンソメではないでしょうか?
スペインの3つ星レストラン「エル・ブリ」で提供されていたメニューで、日本では山田チカラ氏が再現して提供していたこともあります。
作り方は、フォアグラを3cm幅のトランシェにし、塩胡椒でアセゾネします。
そのフォアグラをサーモミックスに入れ、水とコンソメを入れて加熱しがら撹拌します。
フォアグラとコンソメがよく混ざったら、シノワでパッセしてフォアグラに含まれている血管や筋を取り除きます。
この時点でフォアグラには火が入っているので、味見してみましょう。
味が薄いと感じた場合は、ここでもう一度アセゾネして調整します。
濾したフォアグラに3%程度のゼラチンを加え、エスプーマ のサイフォンに流し冷やします。
サイフォンの蓋をしめ、亜酸化窒素ガスを充填してレバーを握ってエスプーマになるかを確認します。
エスプーマになることを確認したら、それを液体窒素に落としカチカチに冷やし固めます。
冷やし固まったフォアグラのエスプーマをバーミックスのグラインダーで粉々になるまで粉砕します。
粉砕た物を器に盛り付け、コンソメスープを流して完成です。
ちなみにレシピもご紹介しておきましょう。
- フォアグラ 400g
- 水 250g
- コンソメ 125g
- 塩・胡椒 適量
- ゼラチン 総量の3%
- 仕上げ用のコンソメ 適量
以上がフォアグラのエスプーマを作る為のレシピです。
液体窒素はなんでも冷やし固める
フォアグラのエスプーマを液体窒素で冷やし固める事が出来るのだから、そのほかの食材で作ったエスプーマでも液体窒素を使って冷やし固める事が出来ます。
あなたが思いつく食材でのエスプーマなら全て冷やし固める事が出来るでしょう。
例えば次の様な物をエスプーマにする事で、液体窒素で冷やし固める事ができます。
- 菜の花
- ジャガイモ
- ホワイトアスパラガス
- トマト
- オレンジ
- いちご
- メロン
- 酢味噌
- 胡麻クリーム
- 塩
- オリーブオイル
- オランデーズソース
- ベシャメルソース
- クラムチャウダー
- ガスパチョ
- ブランダード
- 生ハム
- クリームパティシエール
- サバイヨンソース
これらのエスプーマを液体窒素で固める事で料理が更に複雑に作り上げる事ができますね。
エスプーマと液体窒素を使ったらどんな料理が出来る?のまとめ
いかがでしたでしょうか?
エスプーマと液体窒素を使ったらどんな料理が出来る?について解説しました。
結論としては新しい料理が出来るとしか言いようがありません。
新しい調理法だから新しい料理が出来るのは当然ですね。
これまでのレシピにはないものを作り出す事が出来るチャンスでもあります。
料理というのはそうやって磨かれて磨かれて、需要のあるものが残っていって現在に至って、そして未来へつなげるものです。
もしかしたら、あなたの考えた液体窒素料理が100年後の料理のスタンダードになっているかもしれませんね!