HACCP(ハサップ)とは?
2018年6月の食品衛生法の改正に伴い、HACCP(ハサップ)が制度化され、食品事業者は全てにHACCPの運用を義務つけられました。
HACCPとは、
「Hazard(危害)」
「Analysis(分析)」
「Critical(重要)」
「Contorol(管理)」
「Poimto(点)」
という言葉の頭文字を撮ったもので、食品を扱う際に安全を確保するための管理方法のことです。
食品の安全性を最終製品の検査に頼るだけでなく、その危害の要因を予測して、生産過程で取り除いて保証する
というシステムで、食品安全性管理の見える化と言っても良いでしょう!
HACCP(ハサップ)認証取得の基準とは?
HACCPの認証を受ける為には、コーデックスのガイドラインに基づくHACCPの7原則12手順を原則としています。
これを「旧基準A」と言います。
しかしながら、このHACCPの7原則12手順をそのまま実施するのが難しい小規模事業者や、
特定の業種については、弾力的な運用を可能とするえいえい管理「旧基準B」を取り入れることも可能です。
HACCPの7原則12手順「旧基準A」とは?
では、HACCP7原則12手順ってなんなの?
という方の為にご紹介します。
手順1 | HACCPチームの編成 | 製品を作る為に必要な情報を集められるように、各部門から担当者を集めます。 |
手順2 | 製品説明書の作成 | 原材料や特性などをまとめて置くと、危害要因分析の基礎資料となります。 |
手順3 | 意図する用途および、対象となる消費者の認定 | 用途は使用方法(加熱の有無)を、対象は製品を提供する消費者を確認します。 |
手順4 | 製造工程一覧図の作成 | 受け入れから製品の出荷もしくは食事の提供までの流れを書き出します。 |
手順5 | 製造工程一覧図の現場確認 | 製造工程ができたら、現場での人の動き、モノの動きを確認して必要に応じて工程図を修正しましょう。 |
手順6 原則1 | 危害要因分析の実施 | 工程ごとに原材料由来や工程中に発生しうる危害要因を列挙し、管理手段をあげていきます。 |
手順7 原則2 | 重要管理点の決定 | 危害要因の除去・低減すべき特に重要な工程を決定します。 |
手順8 原則3 | 管理基準の設定 | 危害要因分析で特定したCCPを適切に管理するための基準を設定します。 |
手順9 原則4 | モニタリング方法の設定 | CCPが正しく管理されているかを適切な頻度で確認し、記録します |
手順10 原則5 | 改善措置の設定 | モニタリングの結果、CLが逸脱していた時に講ずべき措置を設定します。 |
手順11 原則6 | 検証方法の設定 | HACCPプランにしたがって管理が行われているか、修正が必要かどうか検討します。 |
手順12 原則7 | 記録と保存方法の設定 | 記録はHACCPを実施した証拠であると同時に、問題が生じた際には工程ごとに管理状況を遡り、原因追求の助けとなります。 |
より詳しく知りたい方は公式HPへ
2衛生管理「旧基準B」とは?
旧基準BでのHACCPを実施する場合は3つのポイントがあります。
- 衛生管理計画の策定
- 計画に基づく実施
- 確認・記録
衛生管理計画の策定
一般衛生管理のポイントと重要管理のポイントのことです。
一般衛生管理とは、
食品の安全性を確保する上で必ず実施しなければならない基本的なものです。
特に食中毒の原因の多くは一般衛生管理の実施の不備から起こることが多く、
食品の安全性を確保するには、施設設備・機械器具等の衛生管理、食品取扱者の健康や衛生の管理等の一般衛生管理を行うことが不可欠です。
HACCP(ハサップ)を導入するメリットとは?
ハサップを導入するメリットはどのようなものがあるのでしょうか?
わからないといくら義務化されたと言っても行動しづらいものですよね。
そこでHACCP(ハサップ)を導入するメリットをご紹介します。
まずは企業のイメージが良くなり、顧客の信頼度が上がりリピーターに繋がります。
例えば食事に行くときには当然、
HACCPの認証を受けてないお店より、
HACCP認証を受けているお店を選びますよね?
働く社員の衛生管理に対する意識が向上します。
温度管理や清掃の有無などを見える化することにより、
わかりやすく全ての社員に衛生管理の意識が芽生えてきます。
事故やクレームが減少する。
徹底した衛生管理により、
事故やクレームの量が減ります。
生産性が向上し利益が拡大します。
事故やクレームの数が減少することにより、
今までそこに費やしていた時間や人員を別の仕事に回すことができ、
生産性が向上し、
同じコストでも利益率を拡大することができます。
4.HACCP(ハサップ)認証を取得するためには?
そんないいことづくめのHACCPですが認証を取得するにはどうしたら良いでしょうか?
HACCP(ハサップ)の認証を受ける為には、
自社の衛生管理システムとしてHACCP(ハサップ)がしっかりと機能していることを、
第三者機関に評価してもらうことが必要です。
その評価が合格となれば、
認証機関から「HACCPマーク」が与えられます。
ハサップの認証機関とは?
日本国内にはHACCPの認証機関がいくつかあるので、その認証機関によって表示しているHACCPマークのデザインも少し違います。
では、代表的な日本国内のHACCP認証機関をご紹介したいと思います。
- 総合衛生管理製造過程
- 業界団体認証
- 地域認定HACCP
総合衛生管理製造過程
厚生労働省が食品衛生法によって定めているHACCP認証で、
「乳」「乳製品」「清涼飲料水」「食肉製品」「魚肉練り製品」「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」の6つの製品に限り取得することができます。
業界団体認証
特定の業種や、特定の業界に適用の範囲が限られているHACCP認証です。
地域認定HACCP
こちらのHACCP認証は中小の食品会社でも取得しやすいという特徴があります。
というのも各自治体が独自に定めた基準でハサップの審査をおかなっているからです。
まとめ
いあかがでしたでしょうか?
HACCP認証を受ける為には飲食店は何をすれば良いかわかりましたね。
個人経営の飲食店では7原則12手順というのは難易度が高過ぎますね。
そのような時は「旧基準B」を使ってHACCPの認証を受けることができますね。